この度は、2024年4月に福岡大学医学部救命救急医学講座主任教授に就任いたしました。私は沖縄県出身で、1998年にマリスト学園中学・高等学校の6年間の寮生活を終え、福岡大学医学部医学科に進学いたしました。医学部卒業後は、2004年に開始された新初期臨床研修制度に伴い、福岡大学病院初期研修医プログラムで研修を受けました。研修中にさまざまな診療科で研鑽を積むうちに、一つの臓器疾患に限らず、多臓器障害を抱えている患者の急性期を診療することに興味を持つようになり、救急医を目指しました。福岡赤十字病院救急部や前橋赤十字病院高度救命救急センター、日本医科大学病院高度救命救急センターで臨床の修練を積み重ね、2012年に福岡大学病院救命救急センターへ入局いたしました。入局後は救急救命九州研修所で救急救命士の育成に携わり、急性期脳梗塞に対する新たな治療法の開発を目指す基礎研究のため、大学院へ進学いたしました。その後は基礎研究をさらに発展させるために2018年より米国ボストンにあるHarvard Medical School / Massachusetts General Hospital Neuroprotection Research Laboratoryでリサーチフェローとして研鑽を積みました。2020年、帰国後は福岡大学病院救命救急センターへ戻り、医療スタッフ一丸となって、膜型人工肺(ECMO)を用いた重症COVID-19の診療に注力してまいりました。近年は自然災害の増加、超高齢化社会、働き方改革、救急搬送数の上昇などにより救急医療を取り巻く環境は刻一刻と変化しております。コロナ禍の後も災害医療、救急医療を通じて救急医は地域医療において重要な役割を果たすと考えており、時代のニーズに沿う救急医の育成、救急医学の発展に尽力いたします。また、大学病院の役目として臨床、研究、教育の3つの柱を遵守し、その役割を果たす所存でございますので、皆様のご指導をどうぞよろしくお願い申し上げます。
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