マリスト医師会

教授紹介

教授紹介

松田 秀一

(21期)
>九州大学 平成2年卒
京都大学 整形外科学 教授 [ 平成24年 - ]
http://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/~seikeigeka/

平成24年3月1日付けで京都大学整形外科学教室の教授として着任しました21期の松田秀一と申します。

マリストの先生方、卒業生、そして在校生の皆様に御挨拶申し上げます。私は九州大学を平成2年に卒業し、九州大学整形外科学教室へ入局しました。その後九州大学関連病院での研修、留学等を経まして平成9年より15年間九州大学で臨床、教育、研究に携わっていましたが、平成23年に京都大学からお声をかけて頂き、平成24年から着任するに至りました。

京都大学整形外科の開講は1906年で、100年を越える歴史がある教室です。整形外科としては東京大学に次いで2番目の開講であり、私が8代目の教授になります。平成23年の12月に京都大学より次期教授のご指名を頂いてから着任日まで緊張の連続でありましたが、大学内のスタッフ、京都大学整形外科同門会の皆様方から本当に暖かくお迎え頂きまして、まずは順調に職務をはじめることができました。マリストの諸先輩方からもご心配頂いておりましたが、元気にやっておりますことをこの場をお借りしてご報告申し上げます。九大から誰かスタッフを連れて行くかとも聞かれましたが、出来るだけ早くとけ込みたかったこともあり単身で異動致しました。

思い起こせば、私にとって人生の転機となる時は常に1人だったような気がします。 私にとって最もストレスを感じた節目はマリスト中学への入寮日でした。天草の苓北町出身の私は塾へ行ったこともなく、同じ小学校からマリストへ進学する人は当然おらず、非常に寂しい思いをして1日でも早く天草へ帰りたいと思っておりましたが、すぐに友達もでき、6年間かけがえのない時間を過ごすことができました。その後九大へ進学したのも1人、留学、そして京大と1人からはじめることが多くなりましたが、人間関係を一から築き上げるのも良いものだと思っております。

京都大学整形外科のご紹介をさせて頂きます。当教室は脊椎外科、股関節外科、生体材料研究などで日本の整形外科の発展をリードしてきた教室のひとつであります。最近も基礎研究の領域をはじめとして、多くの業績をあげています。医学部キャンパス内には、ノーベル賞をとられた山中伸弥先生が所長をつとめておられるiPS細胞研究所があり、当教室の戸口田淳也先生が副所長を兼任しております。山中先生は元々整形外科医ということもあり、これからも共同研究などを進めていきたいと思っています。私が赴任してから研究のペースが落ちたと言われないように、今後も臨床研究、基礎研究をより発展させていく所存であります。

京都に参りました当初は紹介患者も少なく、手術ができるのかどうか不安でしたが、すこしずつ紹介頂けるようになり、症例も増えてきました。京大病院の手術部にも交渉しまして整形外科の手術枠も増やしてもらうこともできました。出来る限り手術には参加して臨床研究や指導にあたりたいと思っています。手術道具などには九州大学と微妙な違いはありますが、大して気にせずにやっています。しかし言葉にはまだ慣れません。患者さんと話していると何となく京都風のアクセントになりますが、スタッフと話す時はまだ標準語です。手術中などはついつい博多弁が出てしまい、研修医の先生達には笑われてしまいます。

京都の街はとても好きになりました。特に京大があるところは鴨川と東山にはさまれて、落ち着いた素晴らしい雰囲気を醸し出しています。一見さんに厳しいとか言われますが、そんなところには元々行けませんし、普通の店ならむこうも商売ですので、お金を払っている分にはいい気分で過ごせます。住むところも、街中に戸建てで住んだりすると少し大変なようですが、マンション暮らしなら問題ないようです。本当は色々あるのかもしれませんが、そこのところは“鈍感”に対処しています。少しずつですが、食事するところも覚えてきました。既に何人かのマリストの友人達に遊びに来ていただきました。

私は大学時代、医学部準硬式野球部に属しており、大の野球好きであります。九大時代にはソフトバンクホークスのチームドクターもやっていました。(マリストには野球部がなく大変残念な思いをしたことを思い出します。)京大医学部の準硬式野球部も強豪のようで、数年前には西医体で優勝したとのことです。運良く平成25年度より準硬式野球部の顧問をつとめさせて頂くことになり、楽しみが少し増えました。早速、先日練習に参加してノックの雨をふらせてきました。

また、他の科の先生にお話すると驚かれるのですが、整形外科は日本整形外科学会学術総会開催中の早朝に野球大会を行っています。全国の予選を勝ち抜いて来たチームしか本大会に出場できず、多くの大学がかなり本気で取り組んでおり、京大整形外科野球チームの強化にも取り組んでいきたいと思っています。

まだまだ慣れないことも多いのですが、自分で考え、自分で解決するという精神はマリスト中学、高校の頃に叩き込まれたような気がします。これからも京都大学整形外科教室、そして整形外科学の発展のために努力していきたいと思っております。今後ともご指導頂けますようお願い申し上げます。

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